日本体育大学図書館 資料収集、保存・除籍の基本方針

平成30年5月30日
図書館運営委員会承認

 日本体育大学は、「体育・身体活動・スポーツを通じた健康で豊かな社会・人づくりの実現」を社会的使命としている。日本体育大学図書館は、本学の使命を果たすために必要な資料を収集・管理し、学術情報として利用に供することにより、本学の教育・研究・社会貢献活動に寄与することを目的としている。
 同時に、大学図書館における知的文化財としての学術情報のコレクション形成は、大学図書館に対する社会的評価基準の一つとして重要な位置づけを占めている。
 したがって、本学の教育・研究目的に沿った学術基盤の充実を図るとともに、社会的要請にも対応する蔵書を構成し、資料の有効な利用と書庫管理の適正化を行うため、以下の通り、本学図書館資料の収集・保存・除籍の基本方針を定める。

1.収集

【基本方針】

①本学の学部・学科・専攻の教育課程、授業科目や研究の動向に留意し、教育・研究活動支援のための資料を重点的、積極的に収集する。

②予算、保存スペースを勘案し、図書館資源の共有、分担収集を推進し、図書館協力を前提として資料を収集する。各キャンパス図書館間で調整し、原則として、同一キャンパス内に重複図書資料は所蔵しない。ただし、利用状況等を勘案して必要な場合は、複本を備えることがある。

③授業関連資料については、選定対象を、出版流通図書や発行者からの寄贈などによって入手できる新刊を基本とし、言語は日本語と英語を主要言語として収集する。

④体育・スポーツ分野の特色ある専門的蔵書群が、大学図書館として社会的に高評価を受けていることから、体育・スポーツ分野資料については、媒体に関わらず網羅的に収集する。

⑤原則として、図書は固定資産として扱う。予め短期的な使用(1年以内)を予定する資料は、消耗品として収集する。(「固定資産及び物品管理規程」第3章を参照のこと。)

⑥資料の収集管理は、図書館が行い、最終選択権限と責任は、図書館長が有する。

⑦本学教職員・学生等の理解と協力を得て、その知的関心、資料要求に応えられる蔵書を構成するために本方針を公開する。

⑧本方針は、変容していく大学の教育・研究と多様な情報媒体や資料要求に対処するため、必要に応じて見直しを行い、図書館運営委員会に諮ったうえで、図書館長が決定する。

⑨貴重書の取り扱いについては、別途定める。

【選定対象】

(1)図書

選定の対象には、冊子体以外の媒体資料をも含める。ただし、電子図書については、学内からアクセス可能な買い切り型のものを対象とする。

(2)逐次刊行物

選定の対象には、冊子体以外の媒体資料をも含める。ただし、電子ジャーナルについては、学内からアクセス可能なものを対象とする。

【選定基準】

(1)資料選定の範囲と基準

①学生・院生・教員の授業・教育・研究等に必要な資料(シラバスに記載された授業用教科書・テキスト等を含む)

②教職員の職務上必要な教養の向上に有益な資料

③本学の特色である体育・スポーツ分野のコレクション

④本学のアイデンティティーを高めるための資料(日体史料)

⑤本学教員の著作

⑥その他、大学図書館として必要な図書(辞書・事典・書誌などの参考図書・政府刊行物など)

(2)選定上の留意点

①慎重に選定すべきもの

・高度に専門的、あるいは極端に細分化された主題で、利用が限定される資料。
・政党、宗教、営利団体等の主義・主張が強く、宣伝目的に重点が置かれた資料。

②短期間使用するもの

・文庫・新書・ベストセラー・旅行ガイド書・各種資格試験問題集・就職活動関係資料

 継続一括購入の新書シリーズや、月ごとのベストセラー文庫・書籍として購入しているものとの重複を避け、利用者からの購入希望があった資料を中心に個別に判断する。選定する場合は、1年間の短期間使用の消耗品として扱う。

③原則として収集しないが、利用者の教育・研究に特に必要な場合にのみ収集対象とするもの

・実用書。
・小説・随筆等の文学作品の単行本。
・宗教関係の教義書。
・展覧会等の図録。(ただし、体育・スポーツ大会など資料的価値の高いものを除く。)
・娯楽書・漫画。(ただし、スポーツ漫画、外国語教材や学術研究対象となる資料を除く。)

(3)選定の体制

①教員による選定

・教員推薦図書(学生用)は、教員が選定し、図書館運営委員会にて決定する。
・研究室資料は、所属研究室教員が選定し、研究室主任が決定する。

②図書館員による選定

・図書館課専任職員が、シラバスと利用状況等、本学の教育と研究の目的と動向に沿って日常的に選定し、図書館長が決定する。

③利用者の希望

・学内利用者からの希望資料を、図書館課専任職員が収集方針と選定基準に沿って選定し、図書館長が決定する。

【寄贈資料】

 寄贈の受入は、本学の教育・研究分野と当館資料の特色を考慮して判断し、コレクションの充実と学術資料の空白部分の補完に努める。
 なお、寄贈される貴重書の取り扱いについては、別途定める。

(1)受け入れの基準
 以下の項目をすべて満たす資料を受け入れる。

①本学図書館(本館・分館・保健医療学部図書館)の未所蔵資料。

②「日本体育大学図書館 資料収集、保管・除籍の基本方針」に適応している資料。

③汚破損、劣化がなく、図書館での利用に耐えうる資料。(ただし、古書については個別に判断する。)

(2)受入れの単位

①少数の資料の場合は、1冊または1タイトルごとに受入の是非を判断する。

②個人または団体が収集した多数の資料の場合は、原則として、その全体を一括して受け入れることはせず、1冊または1タイトルごとに受入の是非を判断する。

③個人または団体が収集した多数の資料が極めて貴重であり(貴重書や貴重書に準ずるもの)、かつまとまっていることで学術的な資料価値が著しく向上する場合は、運搬費、整理経費、書架スペース等の問題を考慮し、本学の教育・研究上必要な資料に限って、その全体を一括して受け入れることができる。

(3)受入れの条件
 受入に当たっては、次の条件を付けることがある。

①寄贈者によるタイトルリストの作成
②寄贈者による重複チェック
③寄贈者による送付、搬入に関わる費用の負担
④寄贈者による整理に関わる費用の負担
なお、受け入れについての手順については、別途定める。

2.保存・除籍

【基本方針】

・体育・スポーツ分野の資料については、史料的な価値を認め、内容の新旧に関わらず2冊以内を保存する。

・体育・スポーツ分野以外の資料については、本学の学部・学科・専攻の教育課程、授業科目や研究の動向に留意し、教育・研究活動支援のために今日的な利用の意義・価値が認められる資料を保存し、内容的に古く、不用な資料は除籍する。

・保存スペースを勘案し、図書館資源の共有、分担収集を推進し、図書館協力を前提として保存資料を選定する。各キャンパス図書館間で調整し、原則として、同一キャンパス内に重複図書資料は保存しない。

・除籍した資料は、利用者へ譲渡または廃棄する。

・資料の保存・除籍等書庫管理は、図書館課が行い、最終選択権限と責任は、図書館長が有する。

・本学教職員・学生等の理解と協力を得て、適正な蔵書構成を維持・管理するため、本方針を公開する。

・本方針は、必要に応じて見直しを行い、図書館運営委員会に諮ったうえで、図書館長が決定する。

【保存・除籍対象】

(1)図書
 選定の対象には、冊子体以外の媒体資料をも含める。

(2)逐次刊行物
 選定の対象には、冊子体以外の媒体資料をも含める。

【保存・除籍基準】

(1)図書

(1)-1.固定資産
 原則として、固定資産は、「固定資産及び物品管理規程」第3章に基づき、長期的利用のため保存する。ただし、以下の資料は、除籍することができる。
①図書の内容が逐次又は改版等により改訂され、内容的に利用価値が失われた旧版資料。
②刊行から相当の年数が経過して、内容的に利用価値が失われた資料。
③汚損・破損が著しく、補修不能又は修理に要する費用が該当資料よりも高価な資料。
④所在不明となって3年以上経過した資料や紛失した資料で、補充が不可能な資料。
⑤他の形態で利用することが適当と判断できる資料。
なお、貴重書の取り扱いについては別途定める。

(1)-2.消耗品(短期間使用の図書)

原則として、消耗品は利用期間(1年間)を超えた時点で、廃棄対象とすることができる。個別に保存年限を定めたものは、その保存年限を超えた時点で除籍処理を行い、利用者に譲渡または廃棄する。

ただし、継続一括購入の新書シリーズや、研究室からの返却資料等において、内容的に価値が認められる(史料的価値を含む)資料は、固定資産として編入受入することができる。

電子書籍の利用期間は、その契約内容による。

(2)逐次刊行物

原則として、学術雑誌は長期的利用のため保存する。キャンパス間で重複する冊子体のタイトルは世田谷キャンパス本館の書庫で保存し、その他の館の所蔵分は定められた保存年限後に除籍処理を行い、利用者に譲渡または廃棄する。電子ジャーナルの利用期間は、その契約内容による。

一般誌(冊子体)は、保存期間を定め、保存期間後には除籍処理を行い、利用者に譲渡または廃棄する。

以上

附則
本方針は、平成30年11月5日から適用する。

このページのトップへ